憧れの瀬戸内で、世界とつながれる場所をつくりたい。
古民家カプセルゲストハウス「Machicado」/「ココカ古書店」店主 宮本 万平さん
- プロフィール
京都府出身
大阪で開催された相談会での玉野市の移住相談員との出会いがきっかけで、憧れだった「海ぐらし」を実現
99カ国を旅した経験から、大人も子どももさまざまな人と触れ合えるゲストハウス「Machicado」と古本屋とイベントスペースを兼ねた「ココカ古書店」を運営
家族構成は、妻と子ども1人(移住時は夫婦のみ)、愛犬1匹
2019年に玉野市へIターン移住
- 移住先
玉野市
きっかけは移住相談員との出会い
もともと瀬戸内の島巡りが好きだったので、妻と「いつか瀬戸内海に面したまちで暮らしたいね」と話していました。そんな矢先に、たまたま大阪で移住相談会があり、「たまののIJUコンシェルジュ」の森さんと出会ったことが移住の決め手になりました。翌月、早速玉野市へ視察に行き、森さんが物件やお店を案内してくれたのですが、「先輩移住者の話も聞きたいです」と伝えたら、すぐに何人かと引き合わせてくれたんです。共感できる人が住んでいることを実感できて、このまちで暮らすことがイメージできました。そのとき出会った方たちとは今も交流が続いています。
移住するならのんびりした場所で暮らしたかったのですが、将来子どもが生まれたときのことを考えると不便すぎる場所でも困る。その点、玉野市は自然が多くてのんびりしているけれど、大きなスーパーやコンビニエンスストア、飲食店などもいいお店がたくさんあって、大阪へも車だと3時間ほどで行き来できる、ほどよく便利なところが気に入っています。移住っていうと「不便な田舎」をイメージする人も多いようで、大阪から遊びに来た友人たちも「あれ、全然田舎じゃないね」と驚きます。
瀬戸内で過ごす家族との穏やかな時間
愛犬も一緒に、家族で渋川海岸や王子が岳にピクニックに行ったり、海が見える場所に車を停めて読書をするひとり時間を楽しんだりしています。また、瀬戸内国際芸術祭の会場にもなっている宇野港がすぐ近くにあり、直島までフェリーで15分なので、大好きな島巡りにも気軽に行くことができます。
犬の散歩をしながらほぼ毎日瀬戸内海を見ていますが、日常の中に海がある暮らしっていうのは本当にぜいたくだなと感じています。
玉野市はアートが身近にあって海外からの旅行客も多く、多様な文化と触れ合えることは子育てにもいい環境だなと思います。
ゲストハウスのスタッフにも旅行をきっかけに玉野市を気に入ったオーストラリア人の子がいて、娘と遊んでくれていますが、いつの間にか娘が「NO!」と言うようになっていたのには驚きましたね。
玉野市を好きになって何度も訪れてくれる友人もいて、市内にお気に入りのハンバーガー屋さんができたり、人が少ない穴場の海岸に遊びに行ったりする中で、今すぐは難しいけれど、将来的には移住もいいかなと思うようになったみたいです。
ここだからかなった“古本屋の夢”
3年ごとに瀬戸内国際芸術祭が開催され、観光客の宿泊需要を感じたことと、いろいろなところを旅した自分たちの経験を生かせると思い、まずはゲストハウスを開業するための店舗探しを森さんに相談したところ、築100年ほどの古民家を紹介してくれ、「Machicado」をオープンしました。
その1年後に、移住前からやりたいと思っていた古本屋「ココカ古書店」をオープン。
京都には古本屋がたくさんあったので挑戦できなかったけれど、玉野市には古本屋がなかったので、ここなら夢がかなえられると。
地方には都会よりもやってみたいことを実現するためのチャンスがたくさんあると思います。
多様な人が交流するゲストハウスと古本屋
自分たちが海外を旅した中で一番記憶に残っているのは、言葉が通じなくても、その地域の人々と交流したこと。
たくさんの人にそういう経験をしてもらいたいという思いから、地元の人と旅行者が交流できる場所をつくりたくて、古書店にはバーカウンターやイベントスペースも併設し、読書会を主催したり、妻もこれまで教育関係の仕事に携わってきた経験を生かして、子ども向けのイベントを企画したりしています。
お店には、国内外から、年代も高校生から70歳くらいまでの多様な方が訪れてくれています。
地元の方からの発案で音楽イベントを開催することもあるのですが、古本が音を吸収してくれていい音になると喜んでもらっています。
「何かやりたい」と思っていた人に身近な場所を提供することで、みんなの挑戦を後押しできているのがうれしいですね。
これからもゲストハウスや古書店での取り組みを通して、多様な人が交流を育み、この場所ならではの新しいコミュニティが生まれてくれたらうれしいです。